「声優のマネージャー」という仕事 : ホリプロ・金成雄文さんインタビュー前編 ─【今どきエンタメ職業最前線~あるいはオタクなオシゴト事情~ 第1回】(2/3)

May’nのコンサートに感動。「アニメ・声優」の世界へ

――それ以降ご担当されていたタレントさんについてもお話をおきかせいただけますか。

金成:
 さまぁ~ずを4年間ほど担当したあとは、山瀬まみを約7年間担当しました。その途中からAKB48の担当もはじめました。その後山瀬まみの担当を別のものに引き継ぎ、AKB48を専属で担当し、その後ホリプロタレントスカウトキャラバンをきっかけに声優の担当もはじめた、という流れです。現在は声優やアニソンシンガー、アニソンDJ,あとアコーディオン奏者桑山哲也の担当をしています。


――担当されているタレントさんが多種多様ですが、御社の中で担当されるタレントさんはどのように決まるのでしょうか。

金成:
 特別なルールがある、というわけではないのですが、重要なのはタレントとマネージャーの関係性だと思います。人ですので合う合わないは当然あると思いますが、良い関係性が築ける組み合わせであれば、長くおつきあいをすることになりますし、逆もあります。僕自身に限って言えば、興味がある領域にどんどん手を上げていった結果、先程のような流れになりました。例えばAKB48を担当することになった経緯としては、AKB劇場が立ち上がってすぐの頃にお仕事で公演を見る機会がありまして、衝撃を受けたことからはじまっています。「これは絶対にホリプロも一緒に盛り上げたほうが良い!」と当時の上司に提案したところOK頂きました。


――なるほど!アイドルから声優、という流れをみると、いわゆるオタクコンテンツと密接に関係する気がするのですが、金成さん自体はいわゆるオタクだったりされるのですか。

金成:
 どうなんでしょう…。もちろんアニメは好きで、小さい頃から見ていましたけれど、大人になってからも深夜アニメをくまなくチェックするほどではなかったです。音楽も、ずっとサザンオールスターズを聞いているような感じでしたから、アイドルについての知識はほとんどありませんでした。AKB劇場に足を運んだのも、さまぁ~ずの仕事でだったんです。ただ、そこで秋元康さんにお会いしたということが非常に大きかったですね。

 当時さまぁ~ずがアーティストとしてCDを出したこともあり、CDを秋元さんにお渡ししに行ったんです。本当に失礼な話なのですが、自分は秋元さんがどういった方でどれだけ凄い方なのかの凄さを何も知らずにお話していたので、その時の立ち話だけで「なかなか鋭いことを言う人だな」くらいに思っていました(笑)


――今だからこそ言えるエピソードですね(笑)

金成:
 その後に、とてつもない作詞家さんであり、AKB劇場だけでなく様々なプロジェクトの仕掛け人だと知って、「ああ、すごい人だったんだなぁ」と。それ以降はすごく秋元さんのことが気になって、ずっと勝手に意識していました(笑)。その後も仕事の関係で、いろいろな方にお会いしてきましたけど、秋元さん以上に打ち合わせでインスピレーションや刺激をくださる方にはまだお会いできてないですね。


――そういった状況の中で、御社が声優アーティストを、ホリプロタレントスカウトキャラバン(以下、TSC)で募集することになったのはどういった経緯があったからでしょうか。

金成:
 当時を振り返ると、弊社のタレントでアニメ業界といえばMay’nが孤軍奮闘している状態で、それ以外はだれもいない。でも弊社アーティストとしてMay’nは山口百恵以来、はじめて武道館でコンサートをしているわけで、その凄さが社内であまり理解されていなかった気がしたんです。自分自身、当時はアニメのことにそこまで詳しくなかったので、May’nのコンサート前にマクロスフロンティアを全話見てライブに臨んだんですが、AKB劇場のときと同じような衝撃を受けまして。「なんだこの熱量は…、めっちゃすごい!面白い!」って。感動した次には、どうしたらこれを仕掛ける側になれるのかな、と考えていました。

 アーティストとしてMay’nはいましたが、声優という領域にはあまり会社としても踏み込めていなかった。ただ今後アニメが国内外含め伸びる領域であることは間違いないだろうと思いましたし、そこに命を吹き込む声優というのはとにかく凄い職業なはずだ!と思いこのタイミングで挑戦してみようと思いました。

声優オーディションは「人間性を最も重視」した

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